羽田雄一郎議員死去の意味~明らかになっていない隠れ死者の存在

 立憲民主党羽田雄一郎議員が12月27日に急逝した。24日に発熱があり(38.6°C)、25日朝にはいったん熱が下がったものの、都内のクリニックに27日午後からPCR検査を受ける予約をしたとのことであった。25,26日当日は自宅で過ごし、27日に秘書の運転する車でクリニックに向かう途中で容体が悪化し東大病院に救急車で搬送されたが死亡が確認された。

 本人には糖尿病や高脂血症、高血圧の基礎疾患があったそうだが、発熱してわずか3日の期間で亡くなったのである。感染して短期間のうちに急激に容体が悪化して亡くなるケースがあるのがこの新型コロナウィルスの特徴であり、だからして非常に怖い。

 さて、ひるがえって日本ではもう今年のはじめからPCR検査の数の少なさが問題になっている。日本製のPCR検査機が海外で大活躍しており、ドイツなどでは人口あたりのPCR検査数が日本の10倍を軽く超えている。ドイツでは感染者数が166万人もいるのだが、医療崩壊は全く起こっていない。政府が非常時のために病床数を確保しているからである。現在、先進国でドイツのような例はまれである。新自由主義的諸政策を程度の差はあれどの国も行っていて、病床数を削減する傾向にある。そのなかでもっともひどいのが日本とアメリカだ。日本においては、検査数がお話にならないくらい少なく、感染者数が22.1万人しかいないのに、どこの地方も医療体制は逼迫している。感染者数を少なく見せかけてこれである。もっとも日本の場合は、まだ使える医療資源を全く使っていない。コロナ患者を受け入れていない大学病院はまだたくさんあり、大学の医局生なども全くコロナ対策に活用されていない。政府は専門病棟すらつくっていないのである。

 こんな状況ではPCR検査を受けたくても受けられない人が当然にも膨大に出てくる。検査すら受けられずに亡くなった人が膨大にいると考えられるのだ。先程日本のPCR検査数は先進国の約10分の1だと書いた。ということは感染者や死者の数は発表されている分の10倍はあるということである。つまり感染者数は12月28日時点での22.1万人の10倍(すでに回復した人も含む)、死者数は3100人の10倍の3万1000人いると推定される。ということは3万1000人のうちの3100人を引いた分の2万8900人の方が検査も受けられずに、突然容体が悪化して亡くなられたと考えられるのである。これは現菅政権による犯罪以外の何であろうか!